昔と今では顧客体験(CX,カスタマーエクスペリエンス)に関する考え方や提供方法が大きく変化しています。その変化のポイントを比較しながら解説します。
1. 企業主導のCX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験) → 顧客主導のCX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験)
昔(企業主導)
- 企業が製品やサービスを決定し、消費者はそれを受け入れるのが一般的でした。
- 商品の機能や価格が主な競争要因で、CX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験)はあくまで「おまけ」として考えられていました。
- 企業が発信する広告や販売員の説明が情報の中心で、消費者の選択肢は限られていました。
今(顧客主導)
- 消費者が求める体験が重視され、パーソナライズされたサービスが増加。
- 顧客の意見やフィードバックが即座に反映される時代。
- 企業はSNSやレビューを通じて顧客の声をリアルタイムで収集し、商品やサービスを改善。
✅ 変化のポイント:
「企業が決めたものを買う」から「顧客が求めるものを提供する」へ
2. 物理的な接点 → オムニチャネルでの接点
昔(リアル店舗中心)
- 顧客体験の主な場は「店舗」や「営業担当者とのやりとり」。
- 店舗の接客が良ければCX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験)が向上、悪ければクレームにつながる。
今(オンライン×オフラインの融合)
- 実店舗、ECサイト、アプリ、SNS、チャットサポートなど、多様なチャネルを通じて体験が提供される。
- どのチャネルからでもスムーズに購入・問い合わせができる「オムニチャネル戦略」が一般化。
- AIチャットボットやカスタマーサポートの自動化が進み、24時間対応も可能に。
✅ 変化のポイント:
「店舗での接客が重要」から「どのチャネルでも一貫したCX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験)が求められる」へ
3. 一方通行の情報発信 → 双方向コミュニケーション
昔(一方通行)
- 企業がCMや新聞広告、チラシを使い、一方的に情報を発信。
- 消費者のフィードバックは直接店舗でのクレームや問い合わせが中心。
- 口コミは個人的な範囲(家族・友人)に限られていた。
今(双方向)
- SNS、レビューサイト、YouTube、ブログなどで消費者が自由に意見を発信。
- 良い体験は拡散され、悪い体験も即座に広がる(炎上リスクあり)。
- 企業はSNSやWeb接客を活用し、顧客と直接対話するマーケティングが主流に。
✅ 変化のポイント:
「企業が発信する情報を受け取る」から「顧客が情報を発信し、企業がそれに対応する」へ
4. マス向けのCX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験)が → パーソナライズされたCX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験)が
昔(画一的なサービス)
- 「万人受け」する商品・サービスが重視され、個別対応は限定的。
- 百貨店のVIP顧客や高級ホテルの常連など、一部の特別な顧客のみ特別な体験(エクスペリエンス)を受けられた。
- クーポンやセールも「全員に同じ割引」が基本。
今(パーソナライズ化)
- AIやデータ分析により、顧客ごとに最適な提案が可能に。
- NetflixやSpotifyのように、過去の行動データをもとに個別におすすめを表示する仕組みが普及。
- ECサイトやメールマーケティングでは、一人ひとりに異なるオファーを提供。
✅ 変化のポイント:
「みんな同じ体験」から「顧客一人ひとりに合わせた体験」へ
5. 商品・サービス重視 → 体験・感情重視
昔(商品や価格が最優先)
- 「良い商品を適正価格で提供すれば売れる」という考え方が主流。
- CX(カスタマーエクスペリエンス.顧客体験)はあくまで補助的な要素で、商品や機能が重視されていた。
- 商品の差別化が難しい場合は、価格競争に陥ることが多かった。
今(感情・ストーリー重視)
- 顧客は「どんな体験(エクスペリエンス)ができるか」「ブランドの価値観に共感できるか」を重視。
- Appleやスターバックスのように、商品そのものよりもブランド体験が重視される。
- 企業は「物を売る」のではなく、「物を通じた価値や感動を売る」方向へシフト。
✅ 変化のポイント:
「良い商品があれば売れる」から「良い体験(エクスペリエンス)がなければ選ばれない」へ
まとめ
昔のCX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験) | 今のCX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験) | |
---|---|---|
主導権 | 企業が決める | 顧客が求める |
接点 | 店舗中心 | オムニチャネル |
情報発信 | 一方通行 | 双方向コミュニケーション |
カスタマイズ性 | 画一的な対応 | パーソナライズ化 |
重視する要素 | 商品・価格 | 体験・感情 |
時代の変化とともに、顧客体験は「単なる取引」から「感動を生む価値の提供」へと進化しました。今後もAIやメタバース、Web3.0などの技術が発展することで、CX(カスタマーエクスペリエンス,顧客体験)の在り方はさらに変化していくでしょう。